奇跡を信じて  NO6 大地の検査結果

大地は、家から車で15分のところにある小児科を受診し、その後、血液検査を受けた。その日は、その検査だけで一日が終わってしまった。


そして検査結果が出た後、再度、専門の検査を受けなければならないということで、ひとみは翌日に、紹介された病院へ行くこととなった。
その病院の受付をした後、血液内科というところへ案内されたため、ひとみはいっそう不安を感じたのである。
「ご主人は、本日何時頃に帰られますか?」と担当の阿部医師は言った。
 
「今日は確か、夕方の四時頃に帰ってくると思います」とひとみは答えた。


夫の幸雄が、早番であったことを思い出した。幸雄は宅配便の仕事をしており、遅番であれば23時頃に帰ることもあるからだ。
「一応、検査の結果は出ましたが、ご主人がいらしてから詳しくお伝えします」
と阿部は言った。
その医師の言葉で、悪い結果なのではないことを願った。


ひとみは、すぐに幸雄の携帯に連絡を入れ、できるだけ早く帰って来てもらうように伝えた。
幸雄は、いつもより早目に仕事を終え、15時過ぎには病院へ着いた。
 
「大地は大丈夫なのか?」と幸雄はひとみに尋ねると、
「今は、ベッドで眠っているの」とひとみが言った。


 16時頃に、二人は阿部医師に呼ばれ、別室へ入った。
 
「検査の結果、大地君は白血病でした。しばらくは、輸血も必要となります。病名を聞かれて、大変驚かれたと思いますが...........」と20分程度、阿部より説明があったが、二人とも動揺していて、阿部の話を最後まで聞ける余裕もなかった。
 
その後、すぐにひとみは母親の明子に連絡を入れた。


                      つづく

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