先日、清掃の係から11時頃に連絡がありました。 〇号室の部屋から、トイレットペーパー(予備含む)、ティッシュペーパー、 ボディシャンプー、シャンプー、コンディショナー(ボトル入り)⇒リキッドが 全て無くなっている⇒何かの容器に詰め替えた? 小分けされているシャンプーや歯ブラシ、カミソリ、スリッパな... 続きをみる
2020年3月のブログ記事
-
-
夏も終わろうとしていた9月下旬に、梨奈から手紙が送られてきた。 手紙の内容は、満室にもかかわらず泊めてもらったというお礼、そして、残念ながら父の洋が、9月20日に亡くなってしまったこと.... 梨奈の父が8月1日に再入院した時、医者から悪性の癌のため、あと長くて2ヶ月と言われていたのだ... 続きをみる
-
翌日の10時頃、梨奈と彼女の両親がチェックアウトに来られた。 「おはようございます。昨日はごゆっくりお休みになられましたでしょうか?」と尋ねると、 「おかげさまで、ゆっくりとできました。お花までいただき、ありがとうございました。ほんとうにお世話になりました」と梨奈の母親が頭を深々と下... 続きをみる
-
予定通りに19時のバスに家族で大文字の送り火へ行かれ、21時30分頃に帰って来られた。 私はその日、部屋がなんとかオーバーすることなく、満室になったことで安心をしていた。 深夜0時過ぎのことであった。 本日のナイトスタッフの仲田が、 「小池様という若い女性が呼んでいますよ」と言っ... 続きをみる
-
「今日はこの後、ご家族で大文字の送り火を見に行かれますか?」と私が尋ねると、洋が「ぜひ、みんなで行きたいと思っていたのです。テレビでは何度も見ていますが、実際に一度も行ったことがないのです」 「では、19時にホテルのマイクロバスがその近くまで送りますから、ぜひご乗車下さい。予約制になっ... 続きをみる
-
「はじめまして。小池でございます。今日はお世話になります」と彼女の父が言うと、 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ご結婚20周年おめでとうございます」と私が言うと、彼女の父、洋が少し驚いた表情をされたので、 「実は、梨奈さんから、今日がご結婚記念日だと聞いておりましたので... 続きをみる
-
8月16日になった。 私が夜勤で仕事につき、数十分後に梨奈から私宛に電話が入った。 彼女を含め、御両親の到着が17時頃になるという知らせであった。 その日は、16時頃からチェックインのお客様でフロントカウンターは賑わっていた。 私がフロント事務所にいた時、女性スタッフ... 続きをみる
-
「ありがとうございます。すぐに両親に知らせます」 梨奈は涙声になっていた。 彼女の両親への思いやりというものに感動した私は、彼女の両親へ二つのささやかな プレゼントを考えていた。 最初のプレゼントは、彼女の両親の結婚記念日ということで、部屋に花を手配することに決めた。 た... 続きをみる
-
翌日、梨奈から私がいるホテルへ、自宅へ連絡を入れたことに対してのお礼の電話が入った。 「16日にお父様が退院されるそうですね。おめでとうございます」と私が言うと、 「ありがとうございます。今回はいろいろとご心配をかけてしまって、すみませんでした」と彼女が謝罪をした。 「1... 続きをみる
-
1週間後の8月9日に私は彼女の自宅へ電話を入れてみた。 しかし、その日は終日、家には誰もいなかったようで連絡がつかなかった。 その後も、1日おきに電話を入れて、ようやく8月13日に連絡がついた。 その日、自宅にいた彼女の母親が電話に出て、私がご主人の病状について聞くと、 「ご心... 続きをみる
-
-
8月2日の夜、私が夜勤の時に梨奈からフロントへ連絡が入った。 私は確認の電話でも入ったのかと思いながら、受話器をとると、 「こんばんは、小池です。先日はありがとうございました。あと、申し上げにくいのですが、以前せっかく予約を入れていただきましたが、今回はキャンセルをしていただけないでし... 続きをみる
-
彼女は信じられないような顔をして、 「ほんとうにありがとうございます」 と言って、頭を深く下げた。 その時に初めて、私はまだ彼女の名前、連絡先を聞いていなかったことに気付き、その場で確認をした。 彼女の名前は、小池梨奈(仮名)、高校1年生である。 そして、予約時の名前は父親... 続きをみる
-
「でも、さっき満室だと...」 と彼女が不安そうに言ったため、 「先ほど、予約事務所に行って確認をしたら、1件キャンセルをしていないのがあったので、大丈夫です」と私は、咄嗟に彼女に嘘をついた。 「ありがとうございます。本当なら嬉しいのですが....」と彼女が言うと、 「どうか... 続きをみる
-
私はすぐに予約のサブ責任者である長谷川に、 「8月16日、一部屋何とかならないか?」 無理だとは分かっていたが、念のため確認をした。 「冗談はよしてくださいよ。マイナス7ルーム(オーバーブッキング)から、 まったく動きはないのですから」と長谷川が答えた。 「マジかよ!」と... 続きをみる
-
「他の市内のホテルに空き状況を確認をしますから、あと15分ほど待ってもらえますでしょうか?」 と伝えた私はフロント事務所へ戻り、市内にある10件程度ののシティホテルへ電話を入れ確認をした。しかしながら、良い結果は得られなかった。 彼女にその結果を報告すると、 「いろいろと調べていただい... 続きをみる
-
「ご宿泊の希望日は、いつなのですか?」と私が尋ねると、 「来月の16日です。その日は、両親の結婚記念日で、ちょうど20年目になるのです」 と彼女は明るく言うと、 「8月16日ですか?」 私は念のため彼女に確認をした。 彼女に確認をした理由は、8月16日とは、京都では有名な『大文字の送り火』があ... 続きをみる
-
このお話は25年も前の7月に遡ります。 とても印象深く、悲しいお話でしたが、最後にはきっと皆様の心が温かくなるかも..... 当時、私は関西の某ホテルのフロントに勤めており、 入社してまだ5年目でした。 夕方近くに、見た目、高校生らしき女の子が少し不安そうな顔をして フロントへやって来た。 最初、... 続きをみる
-
ホテルマンで、無名の小説家のしらとりあきたかと申します。 現在、関西の某ホテルに勤めています。 私が今までに体験をしたお話を聞いて頂ければ嬉しいです。