両親へのプレゼント  No13

   「今日はこの後、ご家族で大文字の送り火を見に行かれますか?」と私が尋ねると、洋が「ぜひ、みんなで行きたいと思っていたのです。テレビでは何度も見ていますが、実際に一度も行ったことがないのです」


   「では、19時にホテルのマイクロバスがその近くまで送りますから、ぜひご乗車下さい。予約制になっていますので、3名様で予約を入れておきます」と私が言った。


   その後すぐに、お客様を部屋へ案内するために、ベルボーイを呼んだ。


   「小池様、3名様をご案内して下さい」と私は言い、カードキーを彼に渡した。


   部屋番号は816号室、最上階の8階である。



   京都のホテルは高さ制限があり、東京や大阪のように高層のホテルを建てることができないのだ。


   私は梨奈の家族が宿泊する二日前に、その部屋番号を押さえることに決めていた。


   今回は3名で宿泊するため、本来ならエキストラベッド代が必要であるが、私はその代金をいただくつもりは、まったくなかった。


   予定通りに19時のバスに家族で大文字の送り火へ行かれ、21時30分頃に帰って来られた。



                           つづく

×

非ログインユーザーとして返信する