奇跡を信じて  NO26 最終戦

9月16日、最終戦となった。
現在、ジャガーズと首位のパイレーツとの差は、わずか0.5である。
つまり、今日、ジャガーズとパイレーツが引き分けであっても優勝なのだ。
そして、ホームランキングは前回と変わらず、バークランドが43本、
田村が42本で、わずか1本差であった。


      (実況中継)
「本日は、ジャガーズとパイレーツとの最終戦をお送りしたいと思います。本日の実況は江川です。そして、解説者には、川籐さんをお迎えしています。 正直、ジャガーズがここまで快進撃をしたことには、非常に私も驚いています。もし、ジャガーズが優勝するようなことになれば、16年ぶりとなるのです。 ここ大阪ドームは、90%、いや100%近くがジャガーズファンと言っても、過言ではないでしょう。 川籐さん、まさかジャガーズがここまでパイレーツに追いつくとは、ほんとうに驚きましたね」


「そうですね。特に今年の夏で引退と噂をされていた田村の活躍には脱帽ですよ」
 と川籐が答えた。
「果たして、ジャガーズに奇跡が起きるのでしょうか?」
と江川が言うと、
「私は、ジャガーズが奇跡を起こしてくれると信じていますよ」
と川籐が自信を持って言った。


「試合は、3回表まで進み、まだ0対0です。 3回裏のジャガーズの攻撃は、4番の主砲、クルーズからです。初球を打ちました。ライト前のヒットです。 ノーアウト1塁で、次の打者は田村です。1打席目は、三振でした。 現在、田村のホームランは42本で、バークランドとわずか1本差です。 ピッチャー、野口、第1球目を投げました。内角低めボールです。 そして、第2球目はワンバウンドで、辛うじてキャッチャーが捕りました。 カウントはノーストライク・ツーボールとなりました。 そして、野口、第3球目を投げました。田村、打ちました。 打球はレフト方向へ飛んでいます。 ファールか、ホームランか? 打球はレフトのポールに当たっています。 ホームラン、2ランホームランです。 第43号ホームランです。ついにバークランドと並びました。 2対0でジャガーズがリードです」


「5回裏まで、ジャガーズが2対0で勝っています。 6回表の攻撃は、ツーアウトで3番の石黒が2ベースを打ち、そして、4番の主砲、バークランドが打席に入りました。川籐さん、ピッチャーは勝負してくるでしょうか?」
と江川が言うと、


「ジャガーズのエース、福山ですからね。彼にも意地というものがあるので、勝負をしてくるでしょう」と川籐が言った。
  
「福山、第1球目を投げました。バークランド打ちました。 打球はレフト方向へ飛んでいます。レフト、バックしています。スタンドへ入るのか? レフトの早乙女、ジャンプをして倒れています。しかし、ボールは早乙女のグラブに入っています。ファインプレーです」
   
 その後、7回表にパイレーツの5番の三上、6番、小泉が連続ヒットを打ち、7番の青山が3ランホームランを打ったため、3対2とパイレーツがリードしたのだ。


                         つづく

×

非ログインユーザーとして返信する